古い住居を売却する場合には、アスベストのことについて配慮する必要があります。日本では石綿とも呼ばれることが多いアスベストですが、この物質は保温性・耐火性・防音性などに優れていたので、建築材として盛んに使用されていました。ところが、物質の分析・研究が進んだら、健康に重大な悪影響を与えることが判明し、それからはどんどん規制が厳しくなり、2006年には全面的に使用禁止となりました。全面禁止になって一安心といいたいところですが、2006年以前に建造された建物には、今でも石綿が残っていることが多いです。
古い住宅の壁や防火板・防音板・水道管などには、今でも石綿が残っていることがよくあります。このような物件を売却する場合は、いったいどうしたらいいのでしょうか。実はこのようなアスベストが使用されているかもしれない物件を売却する場合でも、特別何かしなければいけない義務はありません。しかし、買主側からすれば、石綿の有無はかなり気になるポイントで、どうなっているのか知りたいと思っていることが多いです。
そのため、不動産売買の際に明示しなければならない重要事項説明書に、アスベストのことについて記載しておくのが望ましいです。石綿の有無を調査・分析していないのであれば、それを明示する必要は必ずしもないですが、不明であると明記しておいた方が親切でしょう。さらに言えば、専門の分析業者などに依頼して、石綿が使われているか詳しい調査を行い、アスベストの有無や除去の状況を明示しておくと、さらに好感度アップになります。