アスベストによる健康被害が社会問題となった2000年代から20年近く経った現在でも、私たちの身の回りにはアスベストがあることをご存じでしたでしょうか。使用が禁止になったはずなのにどうして、とお思いなったと思いますが、確かに新たに生産や使用はされていません。しかし、古い建物に使われている可能性が高いのです。というのも、元々これは大きく分けて二つの取り扱いをされていました。

工場で生産されたものと、建材として輸入されたものの二つですが、その内建材として使われたものは年間で約24万トンほどあるのです。建物に使われているアスベストは、建物を使用している段階では人に健康被害を与える可能性は限りなく低いです。なぜなら、建材に用いられているものは飛び散らないように加工されているため、人が吸い込むことが想定されません。しかし、建物の老朽化や改修などで建て替えの作業によって建物を崩す場合は、この限りではないのです。

取り壊しによって建材の内部にあったアスベストが粉塵として空気中に撒かれてしまう危険性があります。それを防ぐには、建物にアスベストが使われているかあらかじめ検査すればよいのです。含まれる場合に改修等を行う場合は、それに対する対策を盛り込む必要があります。建物の老朽化の観点から見て検査の需要が増えるのはこれからだ、という見方もあります。

法律も建物を改修する際は検査を義務付けるようになり、違反した場合は直接罰を設けるように改正されました。

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