アスベストという言葉はよく聞くけれど、これがどのようなもので、人体にどのような影響を与えるかについては、詳しくは知らないという方も多いでしょう。石綿(いしわた、せきめん)とも言って、天然の繊維状の鉱物のことです。かつては建築物に、保温断熱の目的で使われていました。しかし繊維がきわめて細く、飛散したり人間が吸入したりしやすいという特徴があります。

このため、アスベストを含む建築物の解体作業や補修作業などに関わった人たちの間で、肺線維症(じん肺)や、悪性中皮腫や肺がんなどの病気の発症率が高くなり、社会問題となりました。なお2006年9月1日からは製造や輸入に加え、譲渡や提供、使用などが禁止されています。これらの病気は、解体作業や補修作業などに携わった人たちの中でも、粉塵を10年以上吸入した労働者に多く見られます。また作業に関わった人々の家族、あるいはアスベストに関係する工場の近くに住んでいた人も、発症する確率が高いです。

また現在では健康被害への影響の大きさを踏まえて、労働安全衛生法や建築基準法、大気汚染防止法など、様々な形で関連する法令が定められています。もし過去にアスベストを吸い込んだかも知れない、あるいはアスベストが原因で体調を悪くしていると思われる場合は、検査をしてもらうといいでしょう。もちろん関連作業に携わっていた人だけでなく、家族の人も肺に関連する症状が見られる時は、やはり検査を受けるようにしましょう。検査は、労災病院などの専門医療機関に行くのがお勧めです。

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